inVIEW 開発ストーリ―
シンクロア株式会社は2011年、東日本大震災があった年に設立いたしました。
医療照明技術からスタートした弊社は、常に外科医から、
「無影灯の眩しい光で目が疲れる」
「内臓に映る光のハレーションを消すことはできないのか」
と問われておりました。
確かに、現行の無影灯の16万LUX下の光は、太陽光ぐらい眩しいもので、
その明るい環境で手術を長い時間行えば、眼に入ってくる反射光の影響で、
眼精疲労があることがわかっておりました。
そこで、取締役・技術開発者の小山は、
「反射をなくし、物体をリアルに見せる偏光技術を開発しよう」と決心いたしました。
基礎技術をまとめるのに約5年間程かかり、
こうして生まれたのがPHASERAY®(フェーズレイ)です。
2018年には、ようやく特許を3種取得いたしました。
さて、その技術をどのようなデバイスに落とし込むか、
新たなマーケティングの取り組みが始まりました。
そのころ、ウェラブルという言葉が世間を騒がせていましたので、
メガネ型・ゴーグル型にデザインし、現行のルーペ型の置き換わりとしてスタートいたしました。
しかし、顔の全面にメガネのようにかけると、医師の9割は「重い」と感じ、
ルーペに装着するLEDは非常に熱を持ちました。
そうした結果をふまえ「一度工業分野でも試してみよう」と方向転換をいたしました。
2019年から外観検査照明灯として開発を行い、
工業における照明灯の光の制御技術が発達していないことに気が付きました。
医療照明の無影技術を工業用の外観検査照明に搭載したところ、
①影か異物かわからないものを、くっきりと見せることができる
②放熱技術で、熱に弱い物体も検査に適応できる
③inVIEWフィルターで、ノイズを消し、キズや異物をくっきりと見せることができる
という結果に至りました。
現在では、PHASERAY®を用いた照明灯は、
工業、特に自動車産業で多く使っていただいております。
PHASERAY®はあらゆる検査に役立つ技術です。
これからもさらなる発展の為に頑張ってまいります。